実の弟に恋をしました。




──そして、今。



梓は少しだけ大人になって、俺たちの前へ現れた。



“許さないから──”



梓のあの言葉が、立ち尽くす俺の脳裏をグルグルと回り続ける。




「久しぶりに会ってびっくりしちゃった。真弥ちゃん、ますます可愛くなっちゃって」



……当たり前だ。


梓がこの3年間で変わったように、真弥だって変わっていないようで実は変わってきてる。


俺が嫉妬するくらいに。




「その様子だと、りっくんはまだ真弥ちゃんのことが好きなんだね?」


「…っ」


「…隠しても無駄だよ。りっくんが真弥ちゃんを見る目は、愛しい人を見る目だから」




──全部お見通し、ってわけか。



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