実の弟に恋をしました。


「でも、陸くんが笑うのも無理ないよ。華の女子大生にしては地味すぎるよ、それ」


そう言って、由紀は卵焼きの刺さったフォークをあたしに向けた。


「……ですよね」


あたしだって分かってる。

けど、喧嘩したくないばかりに、結局言いなりになってしまうんだ。


「雄司さんって、やっぱ束縛も激しいの?」


「束縛…?例えば?」


「え、だからほら、携帯チェックしたり、交遊関係細かく知りたがったり」


「え…それってフツウなんじゃないの?」


「え……?」


その時。
明らかに、由紀の顔がこわばったのが分かった。


「もしかして…時間に厳しかったり、一日の出来事報告する約束とかもある?」

「え…うん。なんで分かるの?」


あたしの言葉に、由紀は小さく溜め息を吐いてから、神妙な顔つきで口を開いた。


「あのさぁ。それって典型的な束縛男だよ」



……束縛男?



< 24 / 380 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop