実の弟に恋をしました。
「でも、陸くんが笑うのも無理ないよ。華の女子大生にしては地味すぎるよ、それ」
そう言って、由紀は卵焼きの刺さったフォークをあたしに向けた。
「……ですよね」
あたしだって分かってる。
けど、喧嘩したくないばかりに、結局言いなりになってしまうんだ。
「雄司さんって、やっぱ束縛も激しいの?」
「束縛…?例えば?」
「え、だからほら、携帯チェックしたり、交遊関係細かく知りたがったり」
「え…それってフツウなんじゃないの?」
「え……?」
その時。
明らかに、由紀の顔がこわばったのが分かった。
「もしかして…時間に厳しかったり、一日の出来事報告する約束とかもある?」
「え…うん。なんで分かるの?」
あたしの言葉に、由紀は小さく溜め息を吐いてから、神妙な顔つきで口を開いた。
「あのさぁ。それって典型的な束縛男だよ」
……束縛男?