実の弟に恋をしました。
「…実は、」
陸は、あたしと向かい合うようにしてソファーに腰を下ろすと。
ポツリポツリと話し始めた。
「…梓は、知ってるんだ」
「へ?知ってるって」
「俺の真弥への気持ち」
「……え、」
嘘───。
どうして……?
「梓とつきあってる頃から、俺は真弥が好きで…。自分の気持ちに嘘をつくのが嫌で、ある日梓に別れを告げた」
「……」
そんなに前から、陸はあたしのことを…。
こんな状況なのに、ドキドキしてしまう。
…でも。
そんな思いも、すぐに打ち砕かれることになる。
「……けど、梓は許してくれなかった」
…………え?