実の弟に恋をしました。



「あの日からずっと、梓は俺を恨んでる」


「…どうして……」



だって…


梓ちゃん、あんなに笑顔だったのに──。



「梓からしたら、俺に裏切られたも当然なんだよ。誕生日も記念日も、俺は梓より真弥を優先してたから」


「……あ」



心当たりがあった。

いつだったか、あたしが高熱で寝込んだ日。


陸は、梓ちゃんとのデートを切り上げて、あたしの元にかけつけてくれたことがあった。


「…梓が怒るのは当然かもしれない。けど…こんなに厄介なことになるとは思ってなかった」


陸が、肩を落として頭を抱える。



「……アイツは、何をするか分からない。昔からそうゆう奴だったから」


「……そんな」



信じられないよ。

あの、梓ちゃんが。


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