実の弟に恋をしました。
翌日の夕方。
陸はバイトを休んで、梓ちゃんの所へ向かった。
陸が連絡を取ると、梓ちゃんは意外にもすんなりとそれに応じたらしい。
本当はあたしもついていくべきなんだよね…。
それでも陸は、頑なにそれを拒んだんだ。
「……」
携帯片手に、じっと陸からの返信を待つ。
午後から由紀と会う約束をしてたけど、今はそんな場合じゃない。
とにかく…とにかく早く、止めさせなければならなかった。
あたしたちの関係が、周囲に知られてしまう前に──……。