実の弟に恋をしました。
「…陸、」
陸の腕に、そっと手を伸ばす。
触れていないと不安だったんだ。
だけど、陸はそんなあたしの手をそっと引き離すと、ベッドから腰を上げて立ち上がった。
「…電気、つけるから」
──パチッ…
明るくなる視界。
眩しさに、思わず目を細める。
「真弥、俺も真弥に話があったんだ……」
「…梓ちゃんのこと?」
「違う。俺たちの関係について」
そう言った陸の顔は、酷く、悲しそうで──
なんとなく、あたしは悪いシグナルを感じていた。