実の弟に恋をしました。

「…真弥」


陸が、掴んでいたあたしの手をそっと離した。


涙が溢れて、滴が陸の手の平にポトッと落ちる。



「…どうして？陸、梓ちゃんに会ったんだよね？」


「…あぁ。でも、あの悪戯は梓の仕業じゃない」


「…じゃあ、誰が…」


「俺にも分かんねぇよ。だから…しばらく離れたほうがいい。お互いの為にも」


……嘘だ…。


どうして……？


だって、こんなに好きなのに。


「…やだ、やだよ」


「真弥」


「陸とこうして話せなくなるのも、触れられなくなるのも嫌！あたしは…陸が…陸だけが全てなのにっ……」


陸を失ったら、あたしには何もなくなってしまう。


そんなの、耐えられない。