実の弟に恋をしました。



一瞬、アイツの泣き顔が脳裏に浮かんだ。


「…っ、」



バカだ。


俺、何やってんだ。




「…りっくん?」


急に体を離した俺を、不思議そうに見上げる梓。




「……ごめん」



それだけ言うと、散らばった制服を拾って立ち上がる。



「ねぇ、どうして!?」


慌てて追いかけてくる梓。

それでも俺は、抱いてやることなんて出来ない。





「……ごめん。



今日は、無理」




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