実の弟に恋をしました。
突然頭上から降ってきた、聞き覚えのある声。
ハッとして顔を上げると。
「け…」
「慶太!!」
私より先に声を上げたのは、由紀の方だった。
見れば、その目は完全にハートマーク。
あたしは呆れながらも、再び慶太さんへと視線を移して、
「お久しぶりです」
小さく頭を下げた。
「あぁ、真弥ちゃん。久しぶり。…と、その前に謝らなくちゃね」
「え?」
謝る、って……。
あたし、慶太さんに謝られるようなことされた覚え、無いんですけど?