実の弟に恋をしました。
陸はあたしをソファーに座らせると、ため息混じりに経緯を語り始めた。
「…今朝、ウチにも届いてたんだよ」
そう言って、クシャクシャに折り曲げられた真っ白の便箋をポケットから取り出す。
「…これ」
それは、前に映画の帰りに見たものと全く同じものだった。
「切手が無いから、直接ポストに入れに来たんだと思う。で、慌てて追いかけた」
「……梓ちゃんを?」
「あぁ」
ハーッ、と溜め息をついて、陸はクシャッと頭をかき乱した。
「…全く、話にならなかった。梓、アイツどうかしてるのかもしれない」
「……」
確かに、普通の神経ならこんなことしない。
ここまで人を追い詰めたりなんか……。