実の弟に恋をしました。
音も無く、ただじわじわと近づいてくる終わりのとき。
あたしは、陸の腕にギュッとしがみついた。
「…真弥?」
「怖い…怖いよ、陸」
無情に流れる時間と静寂が、あたしたちを奈落の底に追いつめていくようで──……。
「…陸と離れたくない。ずっと一緒にいたいよ」
「大丈夫。約束しただろ?何があっても、俺がお前を離さない」
そう言って、陸は右腕であたしの体を抱き寄せた。
その力強い言葉に、少しだけ勇気づけられる。
きっと、今あたしたちを支えているのは、お互いを強く想う変わらない愛だけだ。
「認めてもらおうとは思わない。多分それは無理な話だから」
「……うん」
「多分、親父たちが俺たちに突きつける条件は二つ」
……二つ?
「無かったことにするか、離ればなれになるかだ」
──ズキン。
胸の奥が痛んだ。