実の弟に恋をしました。



──バタン!




「陸っ!帰ってるか!」


「…おかえり、親父」



なんて、呑気に出迎えてる場合じゃないんだけどな。


「陸、嘘だよな?」


「……何が?」



わざと首を傾げて見せた。


親父の表情が一瞬歪む。




「……この手紙の内容だよ」


そう言いながら親父が差し出してきたのは、見覚えのある白い便箋。


今朝、家のポストに入っていたものと全く同じ。



黙って受けとり、便箋を開く。



走り書きのような、汚い字。


だけど、確かにそこにはこう書いてあった。





――――
お宅の息子さんと娘さんは
近親相姦しています。
その証拠に、写真を
同封しておきます。
――――





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