実の弟に恋をしました。
息を乱して現れた真弥の姿に、親父の動きが止まった。
「……真弥、」
「お父さん。あたしから全部話すから、陸から手を離して?」
すっかり泣き腫らした顔で、真弥が俺たちの間に割り行ってくる。
「……なぜだ。なぜお前ら揃って、否定しない?」
「──言っただろ?これが事実だからだよ」
そう言って、隣に立つ真弥の左手をギュッと握る。
「…っ」
親父の目が見開かれた。
さぁ、親父。
どうする?
「……その手を離しなさい」