実の弟に恋をしました。
「いやぁぁぁぁっ!」
あたしがその姿を捕えたのと、お母さんの悲鳴が響き渡ったのは同時だった。
「…そんなぁっ!嘘よ!真弥と陸がっ……」
「…康子!これはっ」
お父さんが、慌てたように立ち上がり、お母さんの元へかけ寄る。
「あなた!どうして!?今の話はなに!?どうなってるの!?」
お父さんの肩をガクガクと揺らしながら、お母さんがわめく。
あたしと陸は、手を繋いだまま、ただ呆然と立ち尽くすことしか出来ずにいた。