実の弟に恋をしました。
最終章..君の幸せ
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誰もいない、夜の公園。
コートも羽織らずに家を出たあたしたちは、冷えた体を暖めるように寄り添っていた。
「…っ、ぅ」
止めどなく溢れる涙を、陸は幾度も幾度も拭っては、あたしの頭を優しく撫でてくれる。
初めて見た、お父さんの取り乱した姿。
お母さんの悲痛な表情が、脳裏に焼きついて離れない。
「…あたしたちっ…最低だよっ」
「……」
きっと、世界で一番の親不幸者。
「真弥、後悔してるんだ?」
───え?
ハッとして顔を上げると、そこには悲しそうに微笑む陸の姿があった。