実の弟に恋をしました。
家を、出る?
「…どうゆうこと…?」
おそるおそるたずねるあたしに、陸は視線をそらしたまま口を開く。
「地方の大学受けることにした」
………嘘。
どうして……、
「だってそんなこと、聞いてない…っ」
「言ってないからね」
フッと口元を緩める陸。
だけど、その目は全く笑っていなかった。
「…嘘だよね、陸」
「本当だよ。もう願書も出してある。本命に落ちたとしても、どっちみち家は出るから」
「……そんな…」
グラグラと、足下が崩れていくような感覚。
「真弥…いや、姉貴」
陸の瞳が、あたしを真っ直ぐに映し出した。
「……俺の言いたいこと、分かるよな?」