実の弟に恋をしました。
「……それ、マジ?」
話を聞き終えた由紀の顔から笑顔が消える。
「うん。さすがのあたしも、怖くなっちゃって…」
だって、あんなに怖い顔の雄司を見たのは初めてだったから……。
「だから言ったじゃん。やっぱ普通じゃないって」
「…そうかな…」
「そうだよっ!!」
──バン!
と音を立てて、由紀が机を叩く。
「由紀……」
「…あ、ごめん。あたし、ついカッとなって」
「…ううん」
由紀が怒るのも無理ないよ。
それに、由紀はあたしのことを心配してくれてるんだよね。
「実はあたし、慶太さんに聞いたんだ。雄司さんのこと」
…慶太さんは、雄司の会社の同僚で、あの日合コンに参加していたメンバーの一人だ。