実の弟に恋をしました。







目の前が、真っ暗になったような気がした。








「…本気で、言ってるの?」






「あぁ」








その目に迷いは見られなかった。







陸は本気だ。





「……俺は、真弥が一生後悔しながら生きてく姿を見たくない」





……陸……





「お前には…笑っていてほしいんだよ」



そう言って、陸の指があたしの目尻に触れる。



「…っ、」




ずるいよ、陸。


こんなときまで、そんな風に優しく触れないで。




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