実の弟に恋をしました。
「…真弥」
ふわっと、陸のにおいがいっぱいに広がって。
気づけば、そのたくましい腕の中に抱きしめられていた。
「……一生の別れじゃねーぞ。いつかきっと、また会えるから」
「…本当?」
「あぁ。いつかお前に、大切な人が出来て…幸せになれる日がきっと来る」
「……っ」
「そしたらまた、笑顔で会おう」
……限界だった。
涙が止めどなく溢れては、頬を濡らしてゆく。
いつか大切な人ができる?
そんなのありえない。
だってあたしは……
あたしの大切な人は……
「……泣くなよ。俺まで、泣きたくなんだろ…っ」
「陸っ!」
───アナタダケ。