実の弟に恋をしました。


「これでもまだ、雄司さんとつきあいたいと思う?」


由紀が、真剣な面持ちで問いかけてくる。


あたしは、ただ黙って首を横に振った。



──由紀の言う通りだ。

やっぱり、別れよう。

取り返しのつかないことになる前に。


「よしよし、偉い!
真弥ならまたすぐ素敵な人現れるよ!」


「だといいけど…」


「とりあえずさ、もうアイツのことは忘れて、新しい恋探そうよ!あたしまたセッティングしてもいいし」


「……ありがと、由紀!」



不思議。


あんなに迷っていたのが嘘みたいに、今は清々しく感じる。


縛られていたものから解放されたような、そんな感覚。



──もうすぐ、あたしは自由になれるんだ。


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