実の弟に恋をしました。
「ちょ、陸ってば」
「……」
「もーっ!風邪ひくよ」
「……」
頭を叩いてみても
頬をつねってみても
全く反応ナシ、と…。
こんなところで寝られては、通行の邪魔になる。
仕方なく、あたしは陸の腕を肩に回し、力づくで運ぶことにした。
…あぁ、なんであたしがこんなことしなきゃいけないの。
「……重、」
高1にして、身長170cm超えの陸。
その60kg近くありそうな体重が右肩にかかり、危うくよろけそうになる。
あたしがこんなに苦労している横で、当の本人は気持ち良さそうに寝息を立てている。