実の弟に恋をしました。
「…おい、なんだよその服」
「どう?似合う?」
呆気にとられる陸の前で、くるくると回ってみせる。
「似合うっつーか…短すぎだろ」
「今のあたしにはこれくらいがちょうどいいの!」
パンツが見えそうなほど短いミニスカートの裾を摘まんで、あたしは得意気に笑った。
今日は、雄司に会う日。
そして──、別れを告げる日。
もう、雄司の言いなりにはならない。
好きな服を着て、自由に生きる。
そんな決意を込めて、選んだ服。
「陸、あたし、行ってくるよ」
「行くって、アイツのとこ?」
「…うん」