実の弟に恋をしました。
『♪〜』
聞き慣れた着信音が部屋に鳴り響いたのは、土曜の深夜のことだった。
「んー……誰?」
重たい瞼を開け、枕元にあった携帯をとる。
こんな時間にかけてきそうな人物なんて、由紀くらいしか──……。
ディスプレイすら確認せず、寝ぼけ眼で携帯を耳に当てた。
「…もしもし?」
…だけど──…
『……真弥?』
携帯の向こうから聞こえてきたのは、由紀の声なんかじゃなくて。
あたしは、息を飲んだ。
『真弥、俺』
…………雄司……。