実の弟に恋をしました。
──ガチャ。
「あ、宅配便です。…って、うわぁっ!!」
段ボールを抱えた中年のおじさんと、正面衝突する。
「だ、大丈夫かい?」
「……っ」
返事もせず、あたしは必死で走り去った。
途中、何度も何度も後ろを振り返りながら。
恐怖でガクガク震える足を引きずりながら、ようやく商店街まで辿り着いた。
震える手で、携帯を取り出す。
ただ無我夢中で、発信ボタンを押した。
『…もしもし?姉貴?』
「陸っ…助けて…うっ」
嗚咽で、言葉にならない。
それでも陸は、何かを感じとったのか、
『っ、すぐ行く!』
そう言って、場所も聞かずに電話を切ったんだ。