実の弟に恋をしました。
「……でも、ほんとに良かった。姉貴が無事で」
陸の手が、優しくあたしの髪の毛を撫でる。
わずかに顔を上げれば、ふいに絡まり合う視線。
恥ずかしさに目を反らすと、すぐに陸はあたしの顎をクィッと上げて、おでこにキスを落とした。
「くすぐったいよ」
「………好き」
──へ?
「りく?」
「物心ついたときからずっと、姉貴だけを見てきた」
「……」
嘘……。
知らなかった。
えっ…じゃあ、
もしかして、
「1年前のキスも…?」