‐最愛‐
その時後ろから誰かに体を
グイッと寄せられた。



「あぁ゙?お前何やねん」

ギャル男が睨みつける。


私はパッと後ろを見上げると
翔太が眉間にしわを寄せながら

「これ。俺の女やねんけど?」


と苛々しながら呟いた。


ギャル男はびくびくしながら
私を離し去って行った。


その瞬間私の体から
翔太の腕も離れた。


そして翔太はスタスタと
レジャーシートに戻って行き

再び俯せに寝転んだ。


私は翔太の隣にしゃがみ込み

「翔太ぁ…。ごめんな…?」

と謝った。


翔太は黙ったまま何も言わない。


「お願いやから機嫌治して?」

私は翔太を見つめながら呟いた。


その時翔太が起き上がり
私の隣に座り

「お前…あんま他の男と
イチャイチャすんなよ?

次は助けたらへんからな!!」

拗ねながらもそう言って
いつも通りの翔太に戻った。


私はクスクス笑いながら

翔太の手を掴み海へと走った。
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