‐最愛‐

「はぁあ～…」

あの空気から解放されて
溜め息が出た｡


その瞬間後ろから


ポンッ｡

と頭を誰かに叩かれた｡


私は焦って
パッと後ろを振り向いた｡


「ばーか！
女１人で行って
ほっとけるか！」

翔太はそう言って
スタスタと私の前を
通り過ぎた｡


私はビックリして
足が動かない｡

先にスタスタと歩く
翔太を見つめ
ボーッと突っ立っていた｡


そんな私に気が付き
翔太が後ろを振り向き

「はよこいや｡」

そう言ってポケットに
手を突っ込み私を見つめる｡


「あっ｡ごめんっ!!」

私は翔太の元へ
駆け寄った｡


「やっぱお前はアホやわ｡」

「はあー？あんたに
言われたくないわっ!!」

そんな言い合いを
していたらあっという間に
コンビニについた｡


「何しよっかな～♪」

私はブツブツ言って
適当にお菓子とジュースを
手に取りレジに向かった｡

その時パッと手から
お菓子とジュースが離れる｡


「俺払うわ｡」


私は慌てて取り返そうと
したけど翔太は会計を済ませ

「行くで！」と言って
ニコッと笑う｡

何故か分からないけど
私の胸はキュンッとなった｡