‐最愛‐
私達はコンビニを出て
直哉の家に向かった。


「ありがとう…」

私は照れ臭そうに
小さな声で呟いた。


「聞こえへ~ん」

翔太はからかうように
私に言う。

私はムキになって

「ありがとう
ございましたぁ~っ。」

と適当に大声で言う。


「可愛くない奴~。」

翔太はそう言って私の頭を
ぐしゃっとして笑った。。






「…………………。
俺の事避けんなや。」



私はいきなりの発言に
驚き翔太の顔を見た。


さっきまで笑っていた
翔太の顔は……

今は少し悲しそうな顔をして
ずっと前を見つめていた。



「ごめん。」

小さな声で呟き私は
足を止め俯いた。


翔太は私に近付き
ギュッと抱き寄せた。


私は驚いて
突き放そうとした。


でも…私の体は正直で
突き放さなかった。


……何故か
分からないけど
嫌じゃないんだ……


むしろ…
ずっとこのままで居たい。



そう思ってしまった。
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