‐最愛‐
「……ごめん!!!
嫌やった…やんな…?」
翔太は焦って体を離し
不安げに私の顔を
覗き込んだ。
私は首を横に振った。
翔太は「良かった…」
そう呟きニコッと笑い
「行こっか。」と言って
私の腕を掴みスタスタと
歩いた。
私は顔が自然と赤くなったのが
すぐに分かった。
「ついたで。」
そう言ってドアを開け
私は俯いたまま
部屋に入った。
ガラガラガラ…
部屋を開くと
直哉と美帆は隣通しに
座っていて私に
ニッコリと笑いかける。
「ばーか。」
そう言って私は
美帆の前に座った。
そして翔太は
私の隣に座り買ってきた
お菓子を開け
「はい。どーぞっ。」
そう言って黙々と食べた。