‐最愛‐
美帆は私に気付き

「どないしたん?」

そう言って不思議そうに私の
顔を覗きこむ。

「チャラい男…死ねっ!」

そう呟くと美帆は笑い出した。

私は笑ってる美帆を見つめ
「何よーっ!」と言った。

「あんた見た目ギャルな癖に
中身は純粋やなって思って♪笑」

「ちょい待てぇ~い!
うちは見た目も中身も
純粋な女の子やんかぁ」

と言ってニコッと笑うと





「キモッ」

美帆は即答で呟き私達は笑った




「あーっ!!!
あの人に会いに行くでっ」
美帆は大声を張り上げ
私の手を引っ張り
隣のクラスに連れて行った。


そして美帆は興奮気味に
「ちょ!あの人!」と言って
指をさす。私は指をさす方に
目を向けた。


肌が黒くて髪は金髪で
ワックスで盛っていて
まあ顔は整っている。
一言でまとめるとギャル男。


私は「はぁ……。」
とため息をついた。

「なっ?かっこいいやろ?」
美帆は目を輝かせ私に言う。

「見た目からしてチャラ男やん。
まぁかっこいいけど、やめとき」

私はそう言って教室を出た。

美帆は私の後ろに着いてきながら

「えぇ~なんでよぉ~
見た目は確かにそうやけど
あの人いい人やで?」

「何でなん?」

「だってな!今日の朝
うちがこけた時助けて
くれてんもん!」

私はプッと笑い
「まぁしゃーなし
応援したるやん!」

そう言って教室に戻った。
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