‐最愛‐
「そろそろ行こっか!」

翔太はそう言って
私の手を握り立ち上がった。

私もその弾みで立ち上がり

「うんっ!」

と言って2人は肩を並べ
スタスタと歩いた。













「なあー…
愛里って呼んでいい?」

翔太は髪の毛をクシャッと
触りながら私に聞いた。


「愛里様って呼んで~?」

私は意地悪そうに
笑いながら答えた。


「しばくぞ!」

そう言って私の頭を
グリグリしてきた。



「痛い!痛い!痛い!」

私は大声で叫ぶ。


「ごめんなさいわ?」


「ごめんなさい~!」


そう言って翔太は手を止めた。


気付くともうバイクが
ある場所についた。




「はいっ!」

私は翔太にヘルメットを渡され
ヘルメットを被った。

その瞬間…
翔太は私の体をひょいっと
持ち上げ私を後ろに乗せた。


ブンブンブンブン…

翔太はバイクを走らせた。

そして私は翔太に
ギュッと抱き着き

初めて"幸せ"を

感じた……
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