‐最愛‐
「…4人で直哉ん家で
遊んだ日あるやん?
あのあとバイクで送って
くれた時うち思わず
"好きやねん"って
言ってもーてんやんかぁ…」


ポタ…


美帆の目から一粒の
涙が落ちる。

私は美帆の背中を摩りながら

「うん…うん…」

そう言って頷いた。


「でなぁ~…
ごめん。俺。美帆の事…
好きにはなられへん。
って言われちゃった…」

美帆はフッと笑い
ポタポタと涙が落ちている。


「そっかぁ…。
よく頑張ったな…。
…ごめんな?
気付いてあげられへんくて…
辛かった…よな…。」

そう言って私も
涙が出そうになる。


「ううん。愛里のせいじゃない。
ありがとうな。もういいねん。」

「美帆…諦めんの…?」

私は美帆の手を握り呟いた。


「うん…。もう疲れたぁ。
人を好きになっても
どーせ結果は無理やもん…」


私はその言葉に少しイラッとし
「そんな事ないやろ…。
確かに美帆は頑張ったよ?
でもこれで諦めて悔い残らんの?

美帆が直哉の事好きな気持ち
そんなしょぼかったん?

フラれても頑張るんが
本間の恋愛ぢゃないん?

中途半端に終わるんぢゃなくて
最後まで頑張りぃーやっ!!」

私は美帆にキツク言い放つ。


美帆はしょんぼりした顔で

「やっぱ…そうやんな…。
うちもっと頑張らな…
あかんよな…?」

小さな声で震えながら
そう呟いた。
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