‐最愛‐
私は「はぁ」とため息を
つき机に顔を伏せ
窓の外を見つめる。


「よっ!」
私は前を見ると
黒ふちのダテ眼鏡をかけた
いつもと違う翔太がいた。

「似合ってるやろ?」

笑顔で私に言う。
確かに翔太は似合っている。

でも強がりな私は
「別に。」と呟いた。

「お前お世辞とゆうものを
知らんのか?」

「うん。知らん」

そう言ってまた
机に顔を伏せた。

顔が少し赤くなる。


「翔太~またあんときの
お前に復活か?」
隣の席の木村が言う。

「おん!目覚めたわ」
そう言って2人は笑っている


「あんときって何?」
心の中で疑問ができる。






「愛里っ!愛里っ!」

私はハッとなり顔を上げる。

「も~寝過ぎやねん!ばか
お昼買いに行くで~」

美帆はそう言って先に
スタスタと歩いて行く。

「あれからずっと寝てたんや」
私は財布を持ち
美帆の後を追った。


「翔太ぁあ~!男前やぁあん!
本間かっこいぃぃ~!」

私はパッと横を見ると
可愛らしい女の子が
キャピキャピしながら
翔太の腕を掴み話していた。

私は何故か分からないけど
その光景に苛々しながらも
パン販売に向かった。
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