ウォールフラワー
「もう教室もどれ」

「でもっ…先生…」

"まだ泣いてる"

そう言おうとしたとき先生は私の唇をそっと人差し指で押さえた。

「誰にだって心にしまっておきたいことくらいあるだろ?」






★★★★★★★

「れ〜なちゃんっ」

机に寝そべってると莉奈子がにやにやしながら近づいてきた。

…うぅ。


あれから私は逃げるように英語教材室から出た。

考えてみれば昨日会ったばかりの男に振り回されまくってる。

私にキスしようとしたりする意地悪で悪魔みたいな人だと思えば

小さな子どもみたいに眠ってたりする。

しかも泣いてて…。


よく…理解できないよ。



「麗奈ぁ?どおしたの?」

「え…?」

「なんか怖い顔してるからさ。なんかあったのかなーって」

なんか莉奈子って妙に鋭いよね。

えっと…話題変えなきゃ。

「…ううん!なんにもだよ!それより莉奈子こそ何か言いたいことあるんでしょ?」

「あ!そうよ!昨日は帰りどうだったあ〜?2人きりだったのよね?」

昨日の帰りは隼人と…って

「なんで知ってるの!?」

「むふふ!で?」

「で?って…なによ?」

てか むふふって…。
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