ウォールフラワー

★★★★★麗奈side★

私の夢はお嫁さん。

かわいいかわいいお嫁さん。

かっこいい旦那さんの隣で微笑むお嫁さん。


だから"彼氏"とか"恋人"には特別こだわりを持ってきた。

もちろんキスにもそのこだわりはあったわけで。

ファーストキスは…本当に本当に大好きな人とするって決めてた。

大好きな人とするキスはきっととろけちゃいそうなくらい甘いんだろうなとかいろんな期待もしてきた。


けど こんな形で私のファーストキスが奪われるなんて…。



ゆっくりと唇を近づける隼人を私は振り払うことができずそのまま私たちはキスをした。


甘くもなんともないキス。

私の目からは涙が溢れ出し それをみて隼人が驚いたスキをついて保健室を飛び出した。

そのまま校内を走りたどり着いた場所が ここ…英語教材室。

朝から開けっ放しなのか鍵は開いていた。


朝…先生が眠っていた場所に私も座って顔をふせた。

涙が止まらず しばらくそのまま泣き続けた。



ｶﾂｶﾂｶﾂ…

廊下から足跡がきこえて急いで顔をあげる。

やだっ…先生に泣いてるところみられちゃう。

そう思って止めようとしてもそう簡単にとまるはずもなくあっけなくドアは開かれた。


「高橋…」

先生の声がする。

するとなぜか余計に涙があふれてきた。

返事をすることも顔をあげることもできない私に先生は近づきしゃがみこんだ。