恋はミラクル 『雪だるまと花屋のおじさんの小さな恋』
夜は更け、現実に戻らなければ・・・

悲しいが、また帰らざる場所へ二人は向かう

帰り道、夜空を観やげた。

気のせいか?

また、大きな丸い月と星たちがキラキラ次々輝いていた。

だが鳴り止まない拍手の様に思えなかった。

星たちが俺に何か呟いている気がした。

その時は解らなかった。

彼らは雪だるまとおじさんにこの後の二人の恋の行く末を伝えていたのだろう。



この時点で俺はちゃんとした大人でなくなった。

本当に恋はミラクル!

とまた想えた。



正直 嬉しさと気持ち良さ、感動いろんな気持ちが絡み合って複雑だった。



雪だるまとは口づけをし、すぐに一つになった。

その時は彼女には悪いが軽い女なのか?と半信半疑だった。

今になってやっと解った。

俺の望む事を黙って与えてくれた雪だるまこそ本当に俺を愛していたという事。

彼女は自分を愛しているのではない。

真に俺を愛していたと想う。

別れても必ずいつまでも俺のことを気にかけ心配しているはずだ。

それは雪だるまがナルシストではなく、また最愛を得たからだ。
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