恋はミラクル 『雪だるまと花屋のおじさんの小さな恋』
しばらく走った・・・ 



何か気になる・・・

ハンドルを切りUターン、きづいたら戻っていた。



そして雪だるまを見た。泣いていた・・・

車の中で声を押し殺して・・・

はじめて見た! 彼女の泣き顔。



後から知ったが、素直でない強がり雪だるまは俺の前では泣けず、夜自分の部屋で泣いていたらしい。

理由は普通のカップルとは違い会いたいときに逢えなかったり、いろんなことを家族や周りの人に秘密にしなければいけなかったりして辛かったのだろう。

それなのに俺の前では陽だまりの様な笑顔を見せて・・・

彼女の小さな優しさが今になって解る。

雪だるまは素直ではないので一度も俺に好きとは言わなかったが今はっきり解るよ。

若いのに辛い想いさせたなぁ。



ごめんね、雪だるま。



いつも、人の本当の気持ちってその人が居なくなってから解るのか。伝えられないのがとても切ない。これも恋心か?



そして俺はおそるおそる近づき泣いている雪だるまをそっと抱きしめた。

そして何故か『一日、二日時間くれ、考え直す』と言ってしまった。

負けた、雪だるまの涙に・・・
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