恋はミラクル 『雪だるまと花屋のおじさんの小さな恋』
第十四章 花屋開店
次の年の春半ば。

俺は高校卒業してから20年間、植物しか知らないほど皆から花馬鹿と呼ばれている。


そして、20代から思い続けた夢がやっと叶うことになった。

それはお店を開くこと。

2月の寒い時期から工事を始め3月下旬完成4月にオープンした。

自分の夢が叶ったのでこの時全く苦痛ではなかった。

今は苦痛だ。

開店してから最初の2ヶ月は売上げが良かったが、後は下り坂だ。

今は売上げがとても悪い。

言い訳かもしれないがガソリンが高騰し、また各金融業も傾き、世の中の景気が良くなくなったせいもあると思う。



人生思いどおりにはなかなかいかない。



まして、俺自身いくつ物事を一遍にこなすほど器用ではないはず。

3月下旬から4月下旬までオープンで忙しく雪だるまとはなかなか逢えず、電話やメールしかできなかった。

たぶん、彼女には大分寂しい想いをさせたのだろう?

また逢いたい時に逢えない思いが膨らんでいったのだろう。

これもまた、今にたどり着いた原因に1つだろう。
< 48 / 68 >

この作品をシェア

pagetop