恋はミラクル 『雪だるまと花屋のおじさんの小さな恋』
しかし・・・

今の俺は毎日、理性と道徳のレンガを2、3段積み上げては壊し、溜息してまた積み直す。

日々だ。



結局、俺は雪だるまの事ほとんど知らず別れてしまった。

『内緒!』と言う、彼女の口癖が多かったから・・・

短かったけど、彼女の心の中を何一つ解ってなかった。

情けない。

今になって知りたい。

もっと知りたい。

人はみな本当のあいにあこがれる。本当に愛してみたいと思う。また愛されたいと思う。本当の愛は人の願望だと思う。

人は恋をすると本当に相手を愛しているという感情に酔ってしまいがちだ。

たぶん本当に相手を愛している人はもっと落ち着いていると思う。

俺は雪だるまのことを愛しているという感情に酔っていたのか?

考える日々・・・



だが馬鹿なおじさんは想う。

まだ心の奥でまた巡り会える事を祈っている。

『逢いたい・・・』

『ただ、ただ 雪だるまに逢いたい。』

いまこれが素直な気持ちだ。
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