Amy



その翌日、教室に入ると、私を見るなり、加奈子が立ち上がって近づいてきた。



「美羽、ごめん、あたし…」



加奈子は言うと、涙を流してうつむいた。そのとき、加奈子に対して怒っていた感情が、一気に吹き飛んだ。



そして思わず、加奈子の体を引き寄せて抱きしめた。加奈子は、声を漏らして泣いた。



クラスのみんなは、片隅で抱き合った私たちを、そっとしておいてくれている。




「加奈子、何も言わなくていいよ」



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