時を越える愛歌

章「…え…？」

柚葉「こんなあたしのこと好きになんかなってくれへん、そんなことは分かってる！でも…好きな気持ちは伝えたかってん…」

章「…う、そやん…」

柚葉「ごめんな…」

章「何で、え…僕…」

柚葉「っ…」

章「僕の話も、聞いて…くれる？」

柚葉「うんっ…？」















章「僕も柚葉のこと、ずっと好きやった」














そう言って章大はあたしを抱きしめた。

思考回路は停止、何が起きているか分からない。



それでもあたしは章大の腕の中にいた。

暖かな、章大の腕の中。






夢にまで描いていた、章大との両思い。


望まれなかったあたしに、一筋に希望が見えた。





章「好きやで、柚葉…」












ねぇ、神様。

今ぐらい自分が生きてないってこと、忘れてもええやんな？
きっとありえない。

そう思っていた暗闇の中。


一瞬、ほんの一瞬だけでも

あたしを光が照らし始めた。
柚葉「しょ…た？ごめん、ちょっと思考がついていかへん…」





章大があたしのこと好き？

そんなことって…


絶対ありえへんことやんか？