ロストチーム
1号
「もしもし!オカンやろ?オカンなんやろ?黙ってんと、なんか言うてや!」


必死に呼び掛ける1号…


それに対して、電話の相手は何も言う気配がない…


しかし、耳を澄ますと、微かに鼻を啜る音が聞こえる…


間違いないオカンや!


1号は確信した


「オカンやろ?…なんで帰ってこえへんのよ…お願いやから帰ってきて…」


1号が泣き叫びながら話しかけると…


受話器の向こうから微かに声が聞こえた


「…ご…め…ん…潤…」


受話器の向こうに居たのは間違いなくサブリーダーだった


「…なんで謝んの?」


「取り返しの付かん事してしまったから…もう家には帰られへん…ゴメン…」


「嫌や!嫌や!そんなん嫌や!お願いやから帰ってきて!」


「…浩と仲良くするんやで…元気で…な…」


ガチャ…プープープー


「嫌やぁ!!」


泣き叫ぶ1号…


1号の様子を見て状況が判ったのか共に2号も泣き叫ぶ…


『嫌やぁ!!』


1号の希望は見事に打ち砕かれた


1番望んでいなかった、家出という最悪の結果となってしまった…
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