記憶を持つ者
「自分から、殺してって言ったの?」

「あぁ…ただそんなに簡単なものじゃなかったが…
今詳しく話さなくとも、思い出すはずだ。」


―――思い出す…?


それじゃあ、まるで私がその場にいたみたいじゃない。


「“記憶を持つ者”は、転生した。

彼の記憶を宿したまま。

彼の眠りの謎を解く鍵を握った唯一の者―――

それが、ユイ。

お前だ。」


もう、鼓動すら止まったかと思った。
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