記憶を持つ者
白牙は、さらに、私が命を狙われている事を告げた。


私が持っている記憶は、ある人達には都合の悪いものであり、“彼”が目覚めるのを本気で―――命を賭してでも、阻止してくるらしい。


“彼”を手に掛けるのは不可能だと承知しているため、標的は私、“記憶を持つ者”。

それを聞かされても、今まで平穏に暮らしていたから、実感はない。


ただ、白牙や、聞いた話に対する不信感もなくなっていた。
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