記憶を持つ者
疑惑の視線を感じたか、猫のような大きな瞳が私をチラッと見る。

「あの…あなた達は…」


だが、私の問い掛けを気にする事なく、残りの2匹の魔物に飛び掛かっていく。


魔物は、

ほとんど太刀打ちできずに、
霧状になって消えた。


戻って来た2匹は、魔物を殺した雰囲気など微塵も感じさせない。


とりあえず、敵じゃない。


ホッとした私は、その場に座り込んでしまった。


そんな私に擦り寄ってきた頭を、撫でてみる。
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