記憶を持つ者
服の中で淡く光っている式神をそっと押さえながら、会話に神経を集中させる。
二人がどういう関係かは詳しく知らないが、いつもとは明らかに纏う雰囲気が異なっていた。…誰が話しているのか分からない程に。
「答えろ」
「…怖い顔をしないでもらえるかな?」
「返事によっては、俺とやり合う事になるぞ。…今、この場で。」
挑発に慌てたのは魔王の護衛の兵だけで、脅された本人は動じた様子もないようだ。
足音が消えたので、立ち止まったのは分かるが、自分からは何も見えない。
その直後。
どうしても気になって、直接二人を見ようと身を乗り出してはみたものの、思ったより兵が近く、再び壁に張り付く事となる。
二人がどういう関係かは詳しく知らないが、いつもとは明らかに纏う雰囲気が異なっていた。…誰が話しているのか分からない程に。
「答えろ」
「…怖い顔をしないでもらえるかな?」
「返事によっては、俺とやり合う事になるぞ。…今、この場で。」
挑発に慌てたのは魔王の護衛の兵だけで、脅された本人は動じた様子もないようだ。
足音が消えたので、立ち止まったのは分かるが、自分からは何も見えない。
その直後。
どうしても気になって、直接二人を見ようと身を乗り出してはみたものの、思ったより兵が近く、再び壁に張り付く事となる。