記憶を持つ者
第一の試練~王である条件~
部屋に残ったのは、私とヤイバと、白牙。


しばし茫然としていたら、急に気付いた事があった。

バタバタしていてしばらく忘れていたけれど、自分は、魔王と戦っていて良いのだろうか…?

魔界に来た大まかな理由は聞いた。敵に回すと厄介な魔族を抑える為と、…何故か天界に喧嘩を売る為。


ただ、何か大事な事を聞き忘れた気がする。


魔王の名前を聞いた時に―――謎めいた言葉を言われたような―――それから、確か…私が魔界にいる条件は…


「…始めに言ったよな?」


「白牙…」


「魔王の言う事に流されるな。そう言ったよな?忘れてただろ。」

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