ボーダーライン〜キャバ嬢×ボーイ〜【完】
「ここらへん?」
「うん。ありがと。」
「お疲れ。新人ちゃん。」
「お疲れ。」
―――新人ちゃん。か…
彼の笑った顔は、何だか癒し系な感じがする。
暖かい気持ちになっていることに気付いた。
ってか、名前すら知らない。
あのボーイ。
次、もしまた送りがあのボーイだったら、名前くらい聞いてみようと思った。
こんなに楽に稼げて、いいのかな?
そんなことを考えながら、眠りに就いたと思う。
アタシはあまり寝ない方だから、やっぱり仕事に行くまでの時間が余ってしまう。
時間にゆとりも持てて、たくさん稼げて。
十分じゃん。
マキコは、それでも足りなくなったから、身体を売る道を選んだんだよね?
死んでも、アタシはそうはなりたくないと誓った。