ボーダーライン〜キャバ嬢×ボーイ〜【完】
「ユッキーも、いつか…担当持つの?」
不安だった。
きっと、ユッキーなら担当を持って、偽りの優しさでやる気を出させることくらい、簡単に出来るであろう。
辛い過去を背負い
それを隠すために演技を重ねてきたユッキーには
簡単なことでしょう?
「俺は、いつまでも下っぱでいいや。
担当持って、女に見切りをつけるとか…俺にはできないよ。」
「優しいんだね。」
「もう、誰も傷ついてほしくないだけ。」
急に、不安になった。
アタシは焦ったんだと思う。
「ねぇ、じゃあもし、ユッキーが誰かにコクられたらどうする?」
「俺を好きだと言ってくれる人がいるなら、断る理由なんかないよ。」
「どんなに、ダメな人間でも?」
「うん。
人間は、変わることができるからね。だから…断ったりはしないよ。」