ボーダーライン〜キャバ嬢×ボーイ〜【完】

店の中では、普通。

帰りの送りの中でも普通。


唯一、2人でゆっくり会えるのは店が休みの日曜日だけだった。


日曜日も、気軽に外に出歩くことなんかできなくて、ひたすらアタシの家にいることが多かった。


もし、キャストに見られたら…

関係者に見られたら…

うちらはお先、真っ暗だ。


罰金50万。

それが一番痛いと、2人して思っていたよね。




「ねぇ、ユッキー?」


「ん?」


「何かさぁ…寂しい。」


「どうして?」


「あんまりデートもできないし…カップルって感じしないと思わない?」


「そうかな?
俺は美優と一緒にいられるだけで十分なんだけど。
幸せだからさ。」


「ユッキー…」



ユッキーはいつも、アタシが求めている以上の言葉をアタシにくれる。



< 58 / 127 >

この作品をシェア

pagetop