ボーダーライン〜キャバ嬢×ボーイ〜【完】
店の中では、普通。
帰りの送りの中でも普通。
唯一、2人でゆっくり会えるのは店が休みの日曜日だけだった。
日曜日も、気軽に外に出歩くことなんかできなくて、ひたすらアタシの家にいることが多かった。
もし、キャストに見られたら…
関係者に見られたら…
うちらはお先、真っ暗だ。
罰金50万。
それが一番痛いと、2人して思っていたよね。
「ねぇ、ユッキー?」
「ん?」
「何かさぁ…寂しい。」
「どうして?」
「あんまりデートもできないし…カップルって感じしないと思わない?」
「そうかな?
俺は美優と一緒にいられるだけで十分なんだけど。
幸せだからさ。」
「ユッキー…」
ユッキーはいつも、アタシが求めている以上の言葉をアタシにくれる。